三菱電機FAについてThe Road to Automating the World
FAシステム事業 関係者インタビュー

お客様、販売商社様、そして私たち三菱電機が
これからも“Win-Win-Win”であるために三菱電機株式会社 メカトロ事業推進部 メカトロ新事業推進グループ 主任
有水 賢太郎(ありみず けんたろう) 2010年入社
2025-03

三菱電機FAシステム事業では、多様な従業員が、それぞれの想い・技術・こだわりを存分に発揮し、共通の旗印である“Automating the World”の実現を目指している。そのリアルな肉声を、世界各国からお届けする『The Road to Automating the World』。今回は、メカトロ新事業推進グループで、新たな市場の開拓に挑む有水賢太郎に話を聞いた。
新たな成長事業と市場の開拓をめざして
── 三菱電機へ入社されたきっかけを教えてください。
有水:大学では機械工学を学んでいたことから、技術営業職に就きたいと考え電機メーカーを中心に就職活動を行いました。ところが、当時はちょうどリーマンショックの直後。多くの電機メーカーが軒並み赤字に転じるなか、三菱電機は私の知るかぎり唯一黒字を維持しており、しっかりとした地力のある会社に違いないと感じたことが直接的な志望動機になりました。

── 入社後はどのような仕事を担当されたのですか?
有水:当社には営業として採用され、主にレーザ加工機、金属3Dプリンタなどの販売に携わりました。他社より価格は高いものの、技術と品質に信頼をおいて購入してくださる。それが三菱電機の一員として非常に誇らしく感じていました。
── 現在所属されているメカトロ新事業推進グループのミッションとは?
有水:従来の加工機市場はすっかり成熟しており、三菱電機が今後も産業メカトロニクスの分野を技術でリードしていくには、新たな成長事業を創出する必要があります。そのための軸を作り、新たな市場を開拓していくことが当グループのミッションです。現在は未来の日本のものづくりを支える技術として世界中から注目されている金属3Dプリンタに力を入れています。

── その金属3Dプリンタとは、どのようなものなのでしょうか?
有水:金属材料をレーザや電子ビームなどで溶融・焼結させ、層を積み重ねながら立体形状を作り上げる製品です。その中でも当社が採用しているワイヤ・レーザDED(Directed Energy Deposition)という方式は、部品造形だけでなく、金型などの部品補修にも活用できるため、今まで職人(溶接工)が何時間もかけて行っていた補修作業を機械操作で済ませることができます。これにより優秀な技術者のリソースを別の仕事に活かせますし、さらにはヒューマンエラーを防ぎ、品質を安定させることにもつながります。

── どのようなところにやりがいと難しさを感じますか?
有水:新しい事業の製品はゼロからのスタートですので、1台売れただけでも従来製品が100台売れたくらいの喜びがあります。しかし今までにないものだからこそ、その1台を売ることがとても難しい。たとえば、お客様が高額な設備投資をする際は、より良くしたいという“Want(望み)”ではなく、現状の課題や悩みといった“Pain(痛み)”に訴えられる製品のほうが優先順位は高いと考えています。金属3Dプリンタはまだ課題や悩みを解決する存在としての位置づけにいないのが実情ですので、お客様の“痛み”を解消する良薬にするにはどうするべきか──そういったことを日々考えていますね。
決して逃げない三菱電機の姿勢も誇り
── そんなご自身の仕事を進める上で大切にしていることは何ですか?
有水:事業立ち上げという観点では「考えることを止めない」ということです。販売戦略でも、事業展開でも、もちろん製品についても、考えることを止めてしまったら改善への道は閉ざされてしまいますからね。そういう意味では、三菱電機で働くなかで私にも「Changes for the Better」の精神が根づいたのかもしれません。入社時の研修で、あえて「Changes for the Best」ではないと聞いたこともあります。「Best」はそこへ辿り着いたら終わってしまうし、そもそも「Best」は常に変化する。だから「Better」を追い求めるのだと。

── 他に心がけていることとは?
有水:決して逃げださないことです。私たちは工作機械を販売しているため、設備の故障などによりお客様にご迷惑をおかけしたことがないとは言えません。そのときに心がけたのは、絶対に逃げないこと。「必ず解決する」という強い決意で問題と向き合い、最後は「三菱電機は逃げなかった。ありがとう!」とおっしゃっていただいたことを鮮明に覚えています。結果的にそのお客様とは信頼関係がさらに強化され、次の受注にもつながりました。またこの思いは三菱電機の品質、サービスも同じです。たとえば、レーザ加工機に関しては、40年前の製品であってもサポートしています。この“品質は最後まで”という三菱電機の姿勢も私の誇りです。だからこそ今後も逃げない姿勢で新しい市場を開拓していきたいと思っています。
── 最後に、有水さんの“ものづくりへの想い”をお聞かせください。
有水:仕事をしていて一番うれしいのは「三菱電機を選んでよかった」と喜んでいただくことです。営業ですのでもちろん売れたことによる喜びもありますが、その言葉を聞くために頑張っているといっても過言ではありません。そして、喜んでいただくために大切なのが、Winの共有です。購入してくださったお客様にWin。私たちの製品に想いを持って販売してくださった商社様にWin。そして最後に、私たちもWin。そんな“Win-Win-Win”の関係を保ちつつ、新規事業を通じてものづくりの世界に新たなゲームチェンジを起こすことが私にとって最大の夢です。

この記事は2025年2月のインタビューより書き起こしたものです。