展示会情報
三菱電機FAが出展を行った展示会の情報を掲載しています。
展示会に出展した製品やソリューションなどの情報をご確認頂けます。
三菱電機は2015年12月2~4日、東京ビッグサイトで行われた展示会「システムコントロールフェア2015」(SCF2015)に出展しました。製造業向けのオートメーション技術が並ぶこの展示会に、三菱電機は過去最大規模のブースを出展。「e-F@ctory」を始めとした各種ソリューションをご紹介いたしました。このページではその出展内容を振り返ります。
メインのステージでは、e-F@ctoryの全体像を紹介するプレゼンテーションを行うのに加えて、スマートフォンの製造工程をイメージした生産ラインの模型で、e-F@ctoryがどのようなものづくりを可能にするのかを表しました。
シリアルナンバーの情報をもとに、NC装置による加工とその後のビジョンセンサによる検査、ロボットによるパレタイズのそれぞれの工程が同期して動き、受注内容や需要変動の情報を受けて、それぞれの機械と処理が機動的に切り替わる様子をデモしました。受注情報を受けて余力のある生産ラインを動かすことで、突然の大量発注などに対応できることも、このデモでは示しています。
またこの生産ラインの模型では、人による作業との連携も提案しています。デモではパレットに積まれたワークを作業員が取り、その上に貼られたバーコードを読み取ると、必要な作業情報を作業員がかけているスマートグラスに表示。同時に適切な部品の棚が開き、正しい部品を手にとって取り付けられるように支援します。
メインステージで紹介したようなシステムが可能なのは、e-F@ctoryでは生産現場のFA機器と、生産に必要な情報を管理するITシステムをリアルタイムで統合させているためです。展示ブース内の個々のコーナーでは、その統合によるシステムをいくつかデモしました。
一つは化粧品の生産ラインでの異常の早期検知です。化粧品のボトルキャップを押し込んで封止するラインで、正しくキャップが押し込まれたかを検査するものです。流れてくるボトルのキャップまでの距離を赤外線センサで測り、距離が短ければキャップが十分押し込まれていないと判断して、管理部門の画面にアラートを出します。アラートが出れば、すぐにラインを止めて異常の原因を突き止めるようなことが可能なため、品質が異常な製品を作り続けるようなことを防止できます。
メインステージのデモで作業員が実演していた部品の適切な取り出しを支援するシステムも、具体的に展示しました。「ポカよけ」と名付けられたこの作業支援ソリューションでは、バーコードをスキャナで読み取ると、どの部品を取り出すべきかを、部品の棚ごとに表示する仕組みです。具体的な個数だけでなく取り出しの順番も表示で分かるため、部品選択のミスだけでなく、作業のために最も効率のよい取り出し方を現場に教え込むことも可能になります。
作業支援ソリューションとしてもう一つ展示したのが、ねじ締めの支援システムです。ねじ締めにかかる時間をリアルタイムで測定し、その時間が規定の範囲外であるときに画面上にアラートを出すものです。時間が短過ぎると、ねじが十分回されていない恐れがあり、逆に時間がかかり過ぎていれば作業者の習熟度に問題があると考えられます。品質管理だけでなく、作業効率向上にも生かすことができるのがこのシステムです。
こうした作業を、映像で管理するシステム「MELOOK3」も展示しました。現場に取り付けたカメラの映像を管理するシステムですが、大きな特徴は作業現場と時刻を同期させておき、作業の記録と突き合わせて実際の現場の作業を確認することができること。安全確保や異常の原因対策などに活用が可能です。
FAとITの統合に関連したパートナ各社のソリューションも、パネルで展示しました。デジタル空間での設計やシミュレーションを支援するツール、産業用ネットワーク、クラウドベースの設備管理システムなどです。e-F@ctoryによるFAとITの統合は、パートナ各社のソリューションラインナップ拡大ももたらしています。
e-F@ctoryの一連のソリューションに共通するテーマの一つは、「人との協調」です。人と機械の協調を進めることで、ものづくりを現場で支える人が、安全かつ効率よく働ける環境を作り上げることが可能です。e-F@ctoryはその点にも貢献しています。
今回展示したその一例が、ロボットと人の協調による安全確保です。ロボットと人が同じ場所で作業する場合、十分な安全対策がなされていないと、高速に動くロボットが人にぶつかったりなど、人をけがさせたりするかもしれません。そうした事態を防ぐシステムの例として、センサを使った安全確保をデモしました。
デモはロボットとライトカーテンを組み合わせたもので、ロボットの作業エリアに人の手が近づこうとすると、ライトカーテンがそれを検知し、ロボットの動作速度を遅くします。必要な安全性のレベルによってはロボットの動作を止めることももちろん可能ですが、速度が十分遅ければぶつかっても人がけがすることはなく、生産ラインも止めずに済むという効果があります。
さらにライトカーテンはロボット上部にあるカメラとも連動しており、人の接近を検知するとカメラが自動的にその方向を向き、現場の様子を録画します。その映像は表示器(GOT)で確認することができ、現場で何が起きたか、どのような安全対策を施せばよいかを検討する際に役立てることが可能です。
GOTは生産現場で機器や設備の状況を把握するために使われますが、人との協調を進めようとすると、そこで表示する情報は生産現場だけでなく、遠隔地にある管理部門のパソコンでも確認できるのが理想です。そこでGOT2000シリーズのGT27モデルとGT25モデルでは、GOTに表示する画面をEthernet経由でパソコンのWebブラウザ上で表示する機能が設けられています。展示ではその機能を活用したアンドンシステムを披露しました。生産状況をリアルタイムで見える化するアンドンを安価に構築でき、しかもWebブラウザ上で動くためパソコンだけでなくタブレットやスマートフォンからも確認できるのが特徴です。
GOT2000シリーズについては、画面の周りに枠のないオープンフレームモデルも、今回のSCFで展示しました。淵に凹凸がないためほこりや水がたまりにくく、衛生面の向上が期待できます。高温や高圧の水にも耐えられるIP67K規格対応のため、食品製造のように機器の洗浄をたびたび行う現場などに適しています。
人との協調では、スマートグラスを使った機器メンテナンス支援の例を紹介しました。スマートグラスに搭載したカメラで対象機器の2次元バーコードを読み取ると、その現場のメンテナンスに必要なマニュアルが目元のモニタに写るシステムです。目元に映し出す映像はリモート操作が可能で、例えば遠隔地のサポート拠点のスタッフが、画面への書き込みで重要な部分を指し示したりすることもできます。
今回のSCFでは、具体的なアプリケーションを想定した展示も行いました。その一つは「搬送」です。搬送用途では2015年2月に、クレーン専用のインバータ「FREQROL-A800 Plus」を発表しています。展示では港湾でのクレーン作業をイメージした模型で、このインバータによる制振制御のデモを行いました。
さまざまな搬送システムの中でも、コンテナのように大きく重い物を運ぶ搬送システムでは、動きを止めたときの残留振動は特に大きく、その振動が自然に収まるのを待つのでは時間がかかってしまいます。風の影響も受けやすいため、クレーンには一般の搬送物とは違ったレベルの制振制御が求められます。
展示では、クレーンの模型からぶら下げた物が、FREQROL-A800 Plusのオンオフで、動きを止めたときの揺れがどれだけ違うかをデモしました。FREQROL-A800 Plusはジャイロセンサを使ったフィードバック機構による制振制御を行っています。オペレータが搬送速度を気にすることなく、目標位置に短時間で静止させることが可能で、タクトタイムの削減に大きく寄与します。
搬送時の制振制御関連では、加速度センサを基板に内蔵したサーボアンプも出展しました。ボードと一体になっているため、装置の移動部に内蔵することができ、装置の省配線化・省スペース化を実現します。デモでは、5kgの重りをつけた状態で高速に移動させても、止めたときの振動がほとんどないことを披露しました。
アプリケーションを想定したもう一つの展示は「コンバーティング」です。印刷やラミネート加工など薄い素材に加工するコンバーティングは、加工そのものに加えて、ロール状の素材の適切な速度での巻き出し/巻き取りや、張力のコントロールなど、さまざまな制御技術を必要とします。
今回展示したのは、そうした技術を一つのパッケージにした「iQ Monozukuriコンバーティング」です。コンバーティングに必要な多軸の制御や張力制御、検査などの機能をファンクションブロック化し、ハードやソフトをトータルで短期間に導入可能にするパッケージです。
張力や巻き取りの速度はインバータで制御しており、巻き出し軸と巻き取り軸の素材の厚みの変動に応じて、適切な速度を維持できるようにコントロールします。また別の展示システムでは、張力検出器やテンションコントローラを使ったものも紹介しました。
FA製品展示ゾーンでは、「MELSEC iQ-R」を始めとしたシーケンサ、シーケンサをC言語で制御するC言語コントローラ、電力管理機器やサーボモータなどを展示しました。電力管理機器では電力のデマンド監視機能を統合した新しいエネルギー計測ユニット「EcoServer III」、サーボモータではIP55規格対応で噴流や粉じんにも耐えられる三相モータの新製品「SF-PR-SCシリーズ」などの新製品も披露し、e-F@ctoryを核にしたソリューションの広がりを来場者に実感いただいた2015年のSCFでした。
※TCO: Total Cost of Ownership
展示会やセミナーに関する情報を、メールニュースでお知らせしています。
マイページの「お客様情報の変更」欄から「ユーザ情報の変更」を選択し、「メールニュース配信」項目の「希望する」にチェックを入れてください。
配信申し込みはこちら新規メンバー登録時に「メールニュース配信」項目の「希望する」にチェックを入れた上で、メンバー登録してください。
メンバー登録はこちら