工場のデータ収集を産業用PCで自動化 | 導入事例 | 三菱電機FA
Factory Automation

お客様ご採用事例

米国FCC (Adams) 

産業用PCで生産ラインの見える化を実現
データ収集を自動化し迅速な対応が可能に

2022年5月 掲載

米国インディアナ州の自動車部品メーカーFCC(Adams)は、三菱電機の産業用PC「MELIPC MI3000」による生産ラインの見える化を実現した。各工程から人手で行っていたデータ収集を自動化するとともにリアルタイム化も果たした。従来は2人がかりで行っていたレポート作成を1人ですべてをカバーできるようになったという。

米国FCC (Adams)

事例のポイント

  • 1. データの転記ミスがなくなり生産ラインの情報を正確に得られるようになった。
  • 2. リアルタイムな情報収集で問題が即座に分かり、現場の改善が進み作業効率が向上。
  • 3. レポートに必要な工数を大幅に削減。

米国FCC (Adams), LLC

株式会社エフ・シー・シーは、自動車・オートバイなどのクラッチ製造や摩擦材、触媒などを手掛けており、開発から組み立てまで一貫した生産体制が整っている。その米国拠点のひとつ、インディアナ州バーンに所在しているFCC (Adams)は、鋳造、加工、組み立てを行い、自動車向け製品を供給している。

FCC(Adams)の生産現場。4つの生産ラインのうちの1つについて、三菱電機のソリューションにてデータ収集自動化を実現した。

FCC(Adams)の生産現場。4つの生産ラインのうちの1つについて、三菱電機のソリューションにてデータ収集自動化を実現した。

同社では生産効率や品質を高めるために、生産ラインのデータを収集している。4つの主要な生産ラインそれぞれには数十の装置がありデータを集め、それをもとに課題の抽出と対策の立案などを行っている。しかしその収集は手作業に頼っており、作業者が現場を巡回してデータを収集し、表に入力してレポートが整うまで1日以上を要していたという。レポートは毎日行われるミーティングの基礎資料となるが、レポートは1日以上前の現場のデータをもとにしているため、装置や機械のチョコ停や不具合事象に迅速に対応することができなかった。また、集めたデータをシステムに入力する際に転記ミスが起こるというリスクもあった。

そこで同社では、データ収集の自動化に取り組むことになった。自動化のために導入することにしたのは三菱電機のソリューションだ。

リアルタイムでの見える化を実現

データ収集自動化の核となっているのが、産業用PC「MELIPC MI3000」だ。同社では、まず一つの生産ラインについてMI3000を接続。自動的にデータを収集するシステムを1週間で導入した。このシステムにより生産量の目標値と実績値、生産効率、機械の稼働状況や警報の履歴、ダウンタイムなどさまざまなパラメータを測定して収集することが可能になった。収集には10Mbpsの高速なデータ通信が可能なフィールドネットワーク「CC-Link IE Field」を活用している。

リアルタイムでの見える化を実現

生産ラインの装置の情報をMI3000で収集し、レポート化など活用を可能にする。

データ収集の自動化により得られた効果の一つが、リアルタイムでの見える化だ。プロダクションマネージャのMiyuki Lash氏は「問題の発生場所の把握と対処が迅速に行えるようになり、計画外のダウンタイムを最小限に抑えることができるようになりました」と評価する。さらに「組み立てに使用するたくさんの部品も、以前は在庫数の不一致が生じるようなことがありましたが、今では正確に管理できるようなっています」という。

データ収集自動化で生産ラインの問題の把握がリアルタイムで行えるようになった。

データ収集自動化で生産ラインの問題の把握がリアルタイムで行えるようになった。

シニアスタッフエンジニアのTony Ingram氏

シニアスタッフエンジニアのTony Ingram氏

また、シニアスタッフエンジニアのTony Ingram氏は、データ収集作業の簡略化に大きな効果があったとしている。「これまでは機械の設置場所まで出向いて紙と鉛筆でデータを記録しており、システムへの入力もすべて手作業で行う必要がありました。しかしこのソリューションで作業が自動化され、コンピュータ上で必要な情報をすべて手に入るようになっています。従来は2人がかりで行っていたレポート作成も、1人で対応できるようになり、その時間を改善業務に引き当て稼働率向上を進めることができました」という。

「将来の設計変更に対応できる柔軟性がある」

同社では三菱電機製のシーケンサやサーボなどを長年使用している。そのため、三菱電機のシステムに習熟していることに加えて、信頼性の高さにも定評がある三菱電機のソリューションを選択した理由だが、それ以外にもいくつかの優位性が選択の決め手になったという。システムの導入を企画したアシスタントチーフエンジニアのMitoshi Sawaki氏は、「将来の設計変更に対応できる柔軟性があることが、当社に適していると判断した。また、レポートのフォーマットを社内で容易に変更できるほか、特定のデータをピンポイントで収集したい場合でも、簡単なプログラミングで可能な点も、同社が三菱電機のソリューションを高く評価した理由」という。

同社がMI3000を始めとした三菱電機のソリューションでデータ収集自動化を果たしたのは、4つの生産ラインのうち1つだけだが、これを皮切りに今後は他の3つのラインについても自動化を推進し、効率化を追求するとしている。

製品・ソリューション紹介

産業用PC MELIPC

産業用PC MELIPC

MELIPCは装置の制御を行う “リアルタイム制御”、生産現場とITシステムの中間層でデータ収集・分析を行う “エッジコンピューティング” と2種類の用途に使用できます。高性能プロセッサや高速通信が可能なCC-Link IEフィールドネットワークに対応したハイエンド機種から、シンプル・小型のローレンジ機種まで幅広くラインアップ。生産現場でのリアルタイム制御から予防保全や品質向上など多様なニーズに対応し、データ活用による生産現場の改善に貢献します。

シーケンサ MELSEC

シーケンサ MELSEC

生産現場の声に応え進化を続けてきたMELSECシリーズ。高い信頼性と豊富な品揃えで、高度化する生産現場に新たな可能性をご提供します。

米国FCC (Adams), LLC

米国FCC (Adams), LLC

  • 創業:2003年
  • 事業内容:オートマチックトランスミッション用のクラッチ組立部品などの開発・製造
  • URL:https://www.fcc-net.co.jp/別ウィンドウが開きます

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