電力ヒューズ 限流ヒューズ 特長
CL形、CLS形、PL形
三菱限流ヒューズは、ヒューズに大きな短絡電流が流れたとき、ヒューズ内部に発生するアーク抵抗により、その電流を短絡電流よりもきわめて小さい値に制限して、非常に短い時間内に遮断し、回路を保護しますから、系統機器の過電流強度を著しく低減できます。また小形で大きな遮断容量をもっており、密閉構造ヒューズですから、キュービクルなど据付寸法の小さい場合に適します。
一般に限流ヒューズは動作過電圧が高く、小電流遮断性能が悪いものですが、当社の限流ヒューズは動作過電圧が低く、小電流遮断性能がすぐれており、CL形(形番―)、CL形(形番LB)3.6kV 7.2kV G5~400Aヒューズは広域ヒューズとして使用出来ます
主に変圧器用 <CL形>
超広域形ヒューズ
CL形(形番―)、CL形(形番LB)3.6kV、7.2kV G5~G100(T1.5~T75)Aヒューズは小電流遮断性能が特に優れた超広域ヒューズになっております。
また、CL形(形番―)3.6kV、7.2kV G150~G400(T100~T300)Aヒューズは広域ヒューズになっております。
特長
CL形(形番―)、CL形(形番LB)3.6kV、7.2kVヒューズリンク
- 1.密閉構造で屋内外共用、動作表示装置付です。
- 2.最小遮断電流に対応する動作時間がJIS規格値の「100秒」を大きく越えてG5~G100Aヒューズは「1時間」、G150~G400Aヒューズは「2,000秒」まで遮断でき、超広域あるいは広域ヒューズとなっております。
- 3.繰返し過電流性能が変圧器用に対するJIS規格値「100回」に対して「3,000回」以上あります。
- 4.組立をほとんど機械化しておりますので、性能が均一化しております。(G5~G75A定格)
- 5.エポキシ接着剤を全く使わず、キャップ-磁器管の締結は機械的に行ない、シールはすべてシリコンゴムを使用していますので、信頼性に優れております。(G5~G75A定格)
- 6.キャップ-磁器管部はダブルシール構造になっておりますので、屋内外共用ヒューズとして信頼性に優れております。(G5~G75A定格)
- 7.CL形(形番LB)は動作表示棒を強力にしたストライカになっておりますので、ヒューズ付負荷開閉器に使用すれば、ヒューズ動作時に開閉器を自動的に引外すことができます。(G5~G75A定格)
CL形(形番LD)3.6kV、7.2kVヒューズリンク
- 1.密閉構造、動作表示装置付です。
- 2.大容量定格にもかかわらず、非常に小形になっております。
- 3.動作表示棒を強力にしたストライカになっておりますので、それぞれSCL/SCT形(形番EHS2R)ヒューズ付負荷開閉器に使用してヒューズ動作時に開閉器を自動的に引外すことができます。
CL形(形番―)12kV、24kV、36kVヒューズリンク
- 1.密閉構造で屋内外共用、動作表示装置付です。
- 2.最大36kV G100(T50)Aと高電圧、大電流定格にもかかわらず小形、軽量になっております。
主に電動機および多頻度開閉用 <CLS形>
特長
- 1.小形であるが大きな遮断容量、負荷容量をもっています。
- 2.大きな始動電流の特にひんぱんな入、切にも耐えます。
【JIS C 4604による定格電流×5倍、10秒通電の繰り返し寿命に対する規格値10,000回を大きく越え、30,000回以上耐えます。】 - 3.短絡時には非常に速く遮断し、すぐれた限流特性をもっています。
- 4.動作過電圧が特に低くなっています。
- 5.電動機用として最適の溶断特性(M種)をもっています。
- 6.ヒューズリンクは密閉構造で動作表示装置付きです。
- 7.CLS形(形番PD)ヒューズリンクは動作表示棒を強力にしたストライカになっておりますので、SCL形、SCT形(形番EHS2R)ヒューズ付負荷開閉器に使用してヒューズ動作時に開閉を自動的に引外すことができます。
溶断特性
電動機用起動器の保護に接触器あるいは遮断器と組み合わせて使用し、過負荷保護は接触器あるいは遮断器で負担させ、ヒューズは完全に短絡保護のみを受持つCLS形のようなヒューズの溶断特性は、旧電技38条(3)項(現4項)の規定と異なり、定格電流の5倍程度の始動電流で10秒程度は損傷せず、電動機の負荷電流とヒューズの定格電流値とは、ほぽ同一にできるほうが合理的であるためCLS形ヒューズの溶断特性は、従来より当社基準にて製作試験し、そのヒューズ定格電流は、○○SA(たとえば100SAのように)と呼称していました。
すなわちCLS形は旧電技38条(3)項(現4項)の規定(2倍で2時間以内に溶断)に適合するCL形に比べると約2~3倍程度定格電流ベースの溶断特性がおそくなっています。旧規格JEC-201(1977)および]IS C 4604(1979)では、この特性規定方法が電動機用として優れていることが認められ、そのままM種特性として流用規定されました。このため、このM表示定格値は従来よりのSA表示値と同一であり変化ありません。(旧規格での繰り返し回数は1,000回以上)
繰り返し過電流特性
現規格では電動機用は5倍10秒の過電流に10,000回以上耐えればよいこととなっておりますが、このCLS形は特に30,000回以上の繰り返しを保証しておりますので、日に数回程度入り切りしても自然劣化せずに耐えることが出来ますので電動機回路、コンデンサ回路および変圧器回路にも特に多頻度開聞が要求される回路用として広く使用して頂けます。
計器用変圧器および操作用変圧器用 <PL形>
特長
PL形(形番G)3.6/7.2kVヒューズ
- 1.密閉構造で外部ヘガスを全く放出しません。
- 2.ヒューズリンクは外形寸法φ15×ℓ110と非常に小形になっております。
- 3.非常に小形化されているにもかかわらず、定格遮断電流40kAを有しております。
- 4.遮断動作時の過電圧が低く、3.6/7.2kV共用形になっております。
- 5.エレメントの材料および形状には独特の設計を採用しておりますので、自然切れの心配がありません。
- 6.ホルダには舟形がいしを使用しておりますので、非常に小形・軽量になっており、取付スペースも小さくてすみます。
PL形(形番J)3.6~36kVヒューズ
- 1.密閉構造で動作表示装置付です。
- 2.動作表示棒の荷重を大きくしておりますので専用の伝達装置によってマイクロスイッチを動作させることができます。
- 3.36kVという高電圧定格にもかかわらず、小形・軽量になっております
- 4.最小遮断電流に対応する動作時間が200秒と優れた遮断性能を有しております。
- 5.ヒューズエレメントには耐食性に優れた金属を使用しておりますので、コロナその他による自然切れの心配がありません。
- 6.ホルダは断路形です。