ジャパン・ハウス サンパウロが最高レベルの環境賞を受賞 | The Art of Manufacturing | 三菱電機FA
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海外レポート

ジャパン・ハウス サンパウロが最高レベルの環境賞を受賞

2023年5月公開

三菱電機のビルマネージメントシステムが、ブラジル サンパウロの日本文化施設であるジャパン・ハウスのエネルギー効率向上に大きく寄与し、LEEDのプラチナ認定取得に貢献しました。世界160カ国以上で建物や都市の評価に利用されているLEEDはグリーンビジネス認証が建設資材やエネルギーの使用量を削減し、再利用可能なエネルギー源を採用するなど、開発事業者に環境負荷の低減を促すために利用しているものでもあります。

ブラジル サンパウロの日本文化の施設であるジャパン・ハウス

LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)は建物や都市が環境に与える影響について評価するシステムを運営しています。新築、内装、運用・保守、コアアンドシェルなど、あらゆる種類の建物とあらゆる建築段階を対象としています。

このような「グリーンビルディング」の取り組みはまさに今、持続可能性が世界の喫緊課題の一つとなっている現実を反映したものです。不動産価値が、機能性、設備、デザインといった要素に限定されるという前提ではもはや成り立たなくなってきているのです。エネルギー効率や周辺環境への影響も、物件価値を決定する上で少なくとも同等の重要性を持つようになりました。そして最終的にはそこで働く人々や訪れる人々にとって、より快適な建物となるような選択です。そして、これらすべてにおいてLEEDは大きな推進力のひとつとなっているのです。

建物のエネルギー消費に占める暖房、換気、空調の割合は平均して40%近くと言われており、高品質のソリューションは建物のエネルギー効率の向上に大きく貢献します。

現代日本文化のお披露目

2017年に建設されたジャパン・ハウスは、現代日本文化を定義するようになった伝統と革新を促進し輸出するために日本政府によって立ち上げられ、サンパウロ、ロサンゼルス、ロンドンなどさまざまな都市で展開しています。アートやデザイン、工芸、建築、食、エンターテインメントなど幅広い分野で世界的な発信地となっており、その認証はサステナビリティの達成とリーダーシップに対する日本のコミットメントの象徴として認識されています。

日本の伝統工芸・文化の粋を集めた展示会。

ジャパン・ハウス サンパウロは、街の主要幹線道路であるパウリスタ通り沿いに建っています。樹齢70年以上のヒノキを使った格子状のファサードが印象的な約2,500平方メートルの建物をフルリノベーションしています。設計は著名な建築家・隈研吾氏が担当し、建物内部は現代の日本のライフスタイルを体感できるような空間となっています。文化施設としての成功を示すように、ジャパン・ハウス サンパウロにはすでに世界中から200万人以上の人々が訪れています。

LEED認証のプラチナレベルを取得するには厳格なプロセスがあり簡単なことではありませんでした。なぜなら、ジャパン・ハウスは7つの認証カテゴリ―「敷地選定」、「水の利用」、「エネルギーと大気」、「材料と資源」、「室内環境」、「革新性」、そして「立地と交通」において、100ポイント満点中80ポイント以上を獲得する必要があったためです。

LEED認証には4つのレベルがあります。標準(40-49ポイント)、シルバー(50-59ポイント)、ゴールド(60-79ポイント)、プラチナ(80ポイント以上)です。ジャパン・ハウス サンパウロは「LEED for Existing Buildings: Operations and Maintenance(ビルの運用管理)」において80ポイントを獲得しプラチナ認定を受けました。

サステナビリティを成功に導くソリューションBMS

ジャパン・ハウス・サンパウロのLEEDプラチナ認証取得を支えたのは、三菱電機が独自開発したSCADAソフトウェアGENESIS64を搭載した BMS (ビルディング・マネジメント・システム)でした。

暖房、換気、空調の高精度制御。

BMSによる建物全体の単一インターフェース制御。

BMSの大きな特長は世界のどこにある建物でも直接コントロールができることです。ビルオーナーや設備管理者は一つのインターフェースを通じて他社メーカーも含めた制御システム全体を監視することができます。空調、チラー、換気、照明、エレベーター、セキュリティ、火災報知器など、さまざまなシステムを最適に管理することで複雑さを軽減し、省エネを実現するとともに、利用者の住みやすさや快適性にも貢献します。

つまり、BMSはビル全体だけでなく、各設備や機器ごとに使用したエネルギー(電気・ガスなど)や水の量に関する情報を集計できるシステムなのです。これらのデータを収集した後に分析し、その結果をユーザーフレンドリーなビジュアルで表示します。これにより、エネルギー削減が可能な箇所を明確かつ簡単に特定することができるのです。

効果的なBMSはどのような建物においてもLEED認証プロセスにおいて絶対必要な基準です。三菱電機のBMSは、ジャパン・ハウス サンパウロでも「エネルギーと大気」「環境品質」の2つの分野で高いパフォーマンスを発揮しました。

三菱電機のBMSソリューションは、エネルギー計測器や監視用インバータを導入してエネルギー使用量を効率的に管理するだけでなく、ビル設備の予防保全を行う「EcoMonitor」というテクノロジーを有する機器を備え、トレンドレポートや分析機能により、ビルの運用状況や効率性を把握することが可能です。

ジャパン・ハウス サンパウロの総合得点で特に貢献度が高かったのは、三菱電機の「空調制御システム」です。建物のエネルギー消費のうち、暖房、換気、空調(HVAC)の占める割合は平均して40%近くにもなるため、高品質のソリューションが建物のエネルギー効率の向上に大きく貢献することは疑いがありません。

より多くの建築物を緑化するための専門技術

建物の環境をどのようにコントロールするかは地球全体に影響を与える可能性があります。グリーン制御システムはユーザーがエネルギー消費を抑え、貴重な資源をどの程度使用しているかをコントロールできるため環境に優しいビルにつながります。三菱電機は世界をリードするグリーンカンパニーを目指し、その技術を活かしてより持続可能な社会の実現に貢献します。

ジャパン・ハウス サンパウロの認証取得に貢献したことは、サステナブルデザインの専門性を継続的に発展させていることを示すものでもあるのです。三菱電機はこれらのプロジェクトを通じて、他のクライアントのLEED認証取得を支援するための知識や経験、ノウハウといった実質的な基盤を蓄積してきました。当社はこのプロジェクトを通じ、世界中の都市でより多くのグリーンビルディングが誕生することを確信しています。

目を見張るような建築美のジャパン・ハウス。

製品紹介

GENESIS64

GENESIS64™

FAとITのデータを一元的に管理し、データの監視・分析を行えるオープンなIoTプラットフォーム。

  • 異なるシステムから取得したデータを体系的に整理し、見える化できる。
  • Webブラウザやモバイルアプリを介した監視など機器を選ばない監視システム構築が可能。
    3Dモデル・ARにも対応。
エネルギー計測ユニット EcoMonitor Plus

エネルギー計測ユニット EcoMonitor Plus

用途に応じたユニットの組合せで「見える化システムの構築」「生産設備の予防保全、安定稼働」「生産性の向上」「計測値と連動した設備のON/OFF」等、活用方法次第で「プラスαの価値」を生み出すことのできるエネルギー計測ユニットです。

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