Factory Automation

特集論文

三菱シーケンサ “MELSEC iQ-Fシリーズ”

2016年7月公開【全3回】
名古屋製作所 西本雅規 廣川 悠 梅田剛義 堀川 朋

要旨

 三菱電機は、新型マイクロシーケンサ “MELSEC iQ-Fシリーズ” を開発して、製品化した。このシリーズは、小規模制御装置向けのシステムに特化した機能、特長を進化させた次世代のマイクロシーケンサである。MELSEC iQ-Fシリーズの主な特長を次に示す。

(1) 基本性能の向上と内蔵機能の強化
 高速システムバスの採用やCPU(Central Processing Unit)性能の向上で、増設ユニットへのアクセス速度を従来比150倍に向上させ、演算速度をPC MIX値(注1)で従来比7倍に高速化するなど、従来シリーズから飛躍的な基本性能の向上を実現した。さらに、アナログ入出力を内蔵(“FX5U CPU” のみ)して、Ethernet(注2)ポートとSDカードスロットも標準搭載した。

(2) 駆動機器との連携強化
 位置決め機能と高速カウンタ機能を内蔵したLSI(Large Scale Integration)を開発して、CPUユニット内蔵機能を強化した。また、機能拡張のための高速入出力ユニットや、高度な位置決め制御を可能にするシンプルモーションユニットをラインアップした。

(3) エンジニアリング環境の進化
 エンジニアリングソフトウェアは、最新の “MELSOFT GX Works3” に対応した。直観的な操作性、診断機能の強化で、ユーザーのエンジニアリングコスト削減に貢献する。

  • (注1) 1μs当たりの命令の平均処理数
  • (注2) Ethernetは、富士ゼロックス(株)の登録商標である。
特集論文 三菱シーケンサ “MELSEC iQ-Fシリーズ”

MELSEC iQ-Fシリーズ

 MELSEC iQ-Fシリーズは、小規模制御装置向けのシステムに特化した機能、特長を進化させた次世代のマイクロシーケンサである。右が端子台タイプの “FX5U” 及びシンプルモーションユニット “FX5-40SSC-S” などを増設した構成で、左がコネクタタイプの “FX5UC” である。ユニットのデザインは当社デザイン研究所と共同で行い、ユニバーサルデザインの視点で使いやすさを追求した。

参考文献

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