保護継電器ディジタル形保護継電器(MELPRO-Dシリーズ)
特長
ディジタルタイプの特高・高圧受配電用保護継電器です。
MELPRO-Dシリーズは、高機能・豊富なラインアップを提供いたします。
ユーザフレンドリ
使いやすく分かりやすいユーザインタフェース
数値・文字表示用のディスプレイには、VFD (Vacuum Fluorescent Display)を採用しました。
文字表示により従来のような項目番号と、一覧表の対比が不要となり、また、表示器の高輝度、広視野角化により、保護継電器が低位置または高位置に配置されても、表示内容を確実に認識できます。
また、PC-HMI(USB2.0接続)により、各保護要素や出力の状態、入力電気量を画面で確認することができます。パソコンによる整定値の読み出し、書き込みも可能です。
※PC-HMIは、「MELPRO-Dシリーズ」専用の設定と監視用ソフトウェアであり、「三菱電機FAサイト」よりダウンロードいただけます。
マルチファンクション
柔軟かつ多彩な保護機能で、複雑な設備に柔軟に対応
複数段の保護要素
事故発生時に保護継電器が確実に動作し、動作後の停電範囲を最小限にするには、他の機器との保護協調が必要です。電気設備容量の増加や設備の複雑化にともない、保護協調はますます難しくなっています。
複雑な設備や保護協調の制約の厳しい設備においても、柔軟に対応できるように、全ての保護要素にて2段以上の設定ができるようにしました。とくに過電流要素は、反限時特性として14種類の特性を搭載し、さらに3段の定限時特性を搭載しています。
グループ整定
グループ整定機能により運用時の整定値とは別に、もう1グループの整定値を設定できます。
定期点検時の整定値を予め設定し、点検時はグループの切り替えのみで全整定値を点検用に切り替えることなどが可能になります。
PLC(Programmable Logic Controller)機能により、外部機器・配線を省略
設備の複雑化にともない、遮断器の動作・投入、警報出力条件として、保護継電器の外部に、タイマーや接点保持用の回路などを追加することが増えています。
「MELPRO-Dシリーズ」では、この外部機器や配線を省略するため、PLC機能を追加しました。PC-HMIで、ロジック(AND/OR/NOT等)、タイマー(ON、OFF、ワンショット)、フリップフロップ(保持用)などを使ったシーケンスを保護継電器内部に構築できるため、外部の機器配線を省略できます。
充実した記録機能により、事故要因の解析と早期復旧をサポート
事故発生時に、その要因解析と設備復旧に時間を要することがあります。復旧の遅れは、事故による障害をさらに拡大させる恐れがあります。「MELPRO-Dシリーズ」では、充実した記録機能により事故要因の解析と早期復旧をサポートします。
波形記録と解析ツール
保護継電器動作時の入力電流/電圧波形と、各保護要素の検出/動作状態を最大5現象記録(※)できます。また、PC-HMIにより、波形や各保護要素の状態を確認することができます。
画面上でカーソルを合わせることで、瞬時値、実効値、周波数、高調波、ベクトル図などの確認ができます。
※記録仕様は合計5秒間、24分割/1サイクルとなります。
イベント記録
各保護要素の動作/復帰、各出力接点の動作/復帰を時刻情報(※)付きで、最大512件保存することができます。また、常時自己監視機能(保護継電器の内部異常を検出し監視異常接点に出力)により異常検出した場合は、その情報を最大200件保存することができます。
※記録する時刻情報は1ms間隔となります。
レトロフィット
当社従来機種との互換性により、リニューアルにも容易に対応
当社従来機種「MULTI CAPシリーズ」および旧型の「MELPRO-Dシリーズ」と盤加工寸法は同一です。アダプタなどを使用することなく、容易にリニューアルが可能です。また従来機種との互換性が高く、設計変更も最小限となります。
(一部機種除く(※1))
さらに、ユニット引き出し構造としておりますので、メンテナンス時にケースに配線をした状態で継電器内部を取り出し、オプションの「試験用ケース」に差し込んで試験を行うこともできます。
※1 旧型の「MELPRO-Dシリーズ」のD2形(※2)から現行の「MELPRO-Dシリーズ」に置き換える際、形状が小形(D2サイズ→D1サイズ)となるため盤加工寸法も変わります。
アダプタDを使用することで穴あけ寸法をD2サイズからD1サイズに変更することができます。
アダプタDが必要な場合は、当社までお問い合わせください。
※2 D2形:継電器の形名の末尾2桁。
例:CAC1-A01D2、CPP1-A01D2、CGP1-A01D2など