ビジネスコラム
第9回日本学生BtoB新聞広告大賞 受賞者インタビューものづくりの未来に馳せる、私たちの想いと願い。
2024年9月公開【全2回】
- 島村
- 最初に、現在お二人が学校で学ばれていることについてお聞かせいただけますか?
- 小松
- 小さいころからイラストを描くことが好きで、表現の幅を広げるためにデザインの学校に進み、グラフィック全般を勉強していました。
- 佐々木
- 私は映像や映画に興味があり、現在の学部を選びました。ところが途中から広告の文章などを考えるコピーライティングのほうに興味が移り、今はデザインとともにコピーの勉強も独学で進めているところです。
- 島村
- 今回の第9回日本学生BtoB新聞広告大賞には5社が協賛し、それぞれに課題を設定していましたが、なぜ三菱電機のノーヒューズ遮断器を選ばれたのでしょうか?
- 佐々木
- ブレーカという製品に親近感を覚えたことが理由のひとつです。自宅のブレーカがよく落ちてしまうものですから(笑)。また、課題のプロモーション動画を見たときに、キャッチコピーがパッと頭に浮かんだことも理由のひとつです。
- 小松
- 三菱電機の家電製品は普段からよく使っていて、身近なメーカーだったことが最初の理由ですね。一方、ノーヒューズ遮断器は身近な製品ではないかもしれませんが、だからこそ面白そうだなって。いろいろな表現方法を模索できそうだと思いました。
- 島村
- やはりお二人とも、三菱電機といえば家電製品のイメージが強かったのですね。
- 小松・
佐々木 - はい。家電製品の大手メーカーさんというイメージですね。
- 島村
- 広告制作を通じて「FA(ファクトリーオートメーション)」という世界を知り、どのような印象を受けましたか?
- 小松
- 人の手が生み出す手づくりの素晴らしさもありますが、それと同時に一定の品質でつくり続けなければいけないものづくりの分野がたくさんあると思います。そうした分野で、FAはなくてはならないものなのかなと感じました。最初はFA機器というものを三菱電機が手がけていることを意外に感じたのですが、ノーヒューズ遮断器を深掘りするうちに「そうか、家電製品をたくさん作っているからこそ、過電流の抑制といった安全性に配慮しなければいけないのか」ということに気づき、なるほどと思いました。
- 佐々木
- FA機器に関しては小松さんと同じように、品質を保つためにはなくてはならないものというように感じました。また、ノーヒューズ遮断器については、先ほども言いましたが私の家はよくブレーカが落ちるので、そのたびにちょっとイヤな思いをしていたんです。ブレーカなんてなければいいのにって(笑)。でも、知れば知るほど「生活の安全はこういうところで支えられているんだ」ということに気づくことができたのは、大きな学びになりました。
- 島村
- そんなノーヒューズ遮断器の広告を制作するうえで、どのような点に興味を持ち、どのような点をクローズアップしたいと思いましたか?
- 佐々木
- やはり、電気を安全に安心して使うためには必要不可欠なものであるということです。電気を当たり前に使えて、不安を感じることなく生活できるのは、この製品のおかげなんだということを広めたいと思いました。
- 小松
- 過電流を起こしたときに電気を遮断する重要な製品という点に興味をひかれ、それをストレートに表現したいと思いました。佐々木さんと同じく、ノーヒューズ遮断器があるからこそ、私たちはパソコンや家電製品を安心して使えているんだということが伝わればいいなと。
- 島村
- そのような想いを、誰に対してメッセージしたいと思われましたか?
- 小松
- テレビやエアコンなどの家電製品を利用している一般の消費者だけでなく、家庭よりはるかにたくさんの電気を使用する企業に対しても、ノーヒューズ遮断器の役割と価値を知ってほしいと思いました。
- 佐々木
- 普段からブレーカを気に留めている人は少ないと思います。そういう人に対して、安全・安心な生活を送るうえで本当は身近な製品なんだということをメッセージできたらなと思いながら制作を進めました。
- 島村
- その想いを具現化するまでにいろいろなアイデアが浮かんだことと思われますが、最終案に至るまでのプロセスを教えていただけますか?
- 小松
- コンセプトは「過電流をノーヒューズ遮断器がシャットアウトして、安全に電気を使っている様子をわかりやすく表現したい」ということでした。いろいろとアイデアを巡らせるなかで「ドミノ」が思い浮かんだんです。突然ドミノが倒れ出しても、途中で止めてくれるものがあればすべては倒れない──その仕組みに似ているところがあるのではないかって。学校の先生に相談したところ「面白いビジュアルだからコピーはシンプルでいいと思う」とおっしゃっていただき、最終案に落ち着きました。
審査委員会特別賞タイトル:「過電流を遮断」(小松阿久里さん)
- 佐々木
- 広告を見てくれた人に「自分には縁のない世界だ」と素通りされてしまうことは絶対に避けたいと思い、誰にとっても身近な「恋愛」をテーマにしようと決めました。見た目もボップな感じにして、たくさんの人の目に止まるような表現にしようって。先ほどお話ししたとおり、そこまでは課題を選ぶ際に決まっていたのですが、具体的な表現にはやはり苦労してしまいました。でも、一目惚れの際に使われる「電気が走る」という言葉をブレーカに応用できたところは、我ながらよかったかなと思っています。
協賛企業賞・三菱電機(株)タイトル:「恋の電流は止まらない!でも‥」(佐々木泉さん)
──後編は作品作りをより深掘りするとともに、第9回日本学生BtoB新聞広告大賞への参加を通じてお二人が得たこと、気づいたこと、学んだことなどについてお話を伺います。