特集論文

三菱シーケンサ “MELSEC iQ-Rシリーズ” の
エントリーモデルCPUユニット
2019年5月公開【全3回】
名古屋製作所 松沢祐人 吉川貴支
要旨
シーケンサのミドルレンジ市場の製品力強化のため、三菱シーケンサ “ MELSEC iQ-Rシリーズ ” のエントリーモデルCPUユニットを開発した。
エントリーモデルCPUユニットは、MELSEC iQ-RシリーズのハイエンドモデルCPUユニットと同様に、Ethernet(注1)ポート、SDメモリカードインタフェースの搭載、CC-Link IE フィールド Basic内蔵といった特長を持つ。これらに加え、ロギング機能の内蔵によって、従来機種 “ MELSEC Qシリーズ ” では複数のユニットで実現していたロギング機能をCPUユニット単体で実現できるようになり、低コストのシステム構築に貢献する。
また、不揮発性の磁気抵抗メモリ(MRAM)の搭載によって、デバイスデータ保持(バックアップ)用バッテリーが不要となり、バッテリー交換や補用品にかかるメンテナンスコスト削減を実現した。さらには、ミドルレンジ市場向け機種でありながらも、プログラム部品化機能やデバッグ機能でMELSEC iQ-RシリーズのハイエンドモデルCPUユニットと同等の機能を実現し、顧客のプログラム作成やデバッグにかかるエンジニアリングコスト削減を実現した。
- (注1)Ethernetは、富士ゼロックス(株)の登録商標である。

“ MELSEC iQ-Rシリーズ ” のエントリーモデルCPUユニット
MELSEC iQ-RシリーズのエントリーモデルCPUユニットは、MELSEC-Qシリーズでは別にユニットが必要であったEthernet通信機能とデータロギング機能を内蔵しており、低コストでシステム構築が可能になる。また、このエントリーモデルCPUユニットは不揮発性の磁気抵抗メモリを内蔵しているため、デバイスデータ保持(バックアップ)用バッテリーが不要となる。そのため、バッテリー交換や補用品にかかるメンテナンスコストが削減可能となる。