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Factory Automation

シーケンサ MELSEC-Lシリーズ 特長 アナログ/温度調節

シフト機能でシステム立上げ時の微調整が簡単に

[ シフト機能 ]
設定した変換値シフト量をデジタル出力値に加算(シフト)する機能です。
変換値シフト量を変更すると、リアルタイムにスケーリング値(デジタル演算値)に反映されるため、システム立上げ時の微調整が簡単に行えます。

L60AD4の場合

■ 調整前

入力電圧(V) デジタル出力値
0 -10
5 19990

■ 調整後

入力電圧(V) スケーリング値
(デジタル演算値)
0 0
5 20000

プログラミング工数を削減

[ スケーリング機能 ]
デジタル出力値をプログラムレスで簡単に任意の値へ変換(スケーリング)する機能です。
ラダーでの変換プログラムが不要となるため、プログラミング工数を削減できます。

スケーリング設定例(L60AD4の場合)

入力レンジ4mA~20mAのデジタル出力値(0~20000)を、±20000の値にスケーリングする場合。

入力電流
(mA)
デジタル
出力値
スケー
リング値
4 0 -20000
8 5000 -10000
12 10000 0
16 15000 10000
20 20000 20000

[ デジタルフィルタ機能 ]
簡単なパラメータ設定だけで、必要のない周波数成分を取り除くことができる機能です。
ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタから選択できます。
ラダーでのフィルタ処理が不要となるため、プログラミング工数を削減できます。
また、フィルタ処理されたA/D変換値が変換完了と同時に得られるため、変換からフィルタ処理を実施するまでのスループット時間が短縮できます。

[ 一次遅れフィルタ機能 ]
一次遅れフィルタ定数により、過渡ノイズを平滑化したデジタル出力値が出力されます。

10000点のデータをロギング

[ ロギング機能 ]
設定した周期でデータを連続して収集し、チャンネルごとに最大10000点のロギングデータを格納できます。ロギングしたデータを使用してデバッグを行ったり、データの変動を定期的に確認できます。

項 目 内 容
L60AD4 L60AD2DA2
収集点数 10000点/ch
収集可能データ デジタル出力値またはスケーリング値(デジタル演算値)
ロギング周期*1 80~32767µs
1~32767ms
1~3600s
80~32767µs
1~32767ms
1~3600s
変換速度 80µs、または1ms 80µs
レベルトリガ条件 上昇のみ、下降のみ、上昇・下降
トリガ後ロギング点数 1~10000
  • *1.実際にロギングする周期は、「各A/D変換方式の変換周期の整数倍」になります。
    例)サンプリング処理の場合:変換周期=変換速度×使用チャンネル数

またGX LogViewerで、ロギングデータを解析できます。

デジタル値の異常を検出すると…

ロギングの実行中でもロギングデータをCPUのデバイスメモリに転送できます。
ロギングとデータ転送を同時に行うことができるので、次回のロギングをすぐに開始できます。

[ 10000点以上のロギング ]
1001~2000点目のデータをロギング中に、1~1000点目のデータをCPUのデバイスメモリに転送します。
1000点ごとの転送を繰り返すことで、10000点以上のロギングも可能です。

製品の厚みを簡単に計測

[ 差分変換機能 ]
差分変換が開始されると、開始時点でのスケーリング値(デジタル演算値)を差分変換基準値とします。スケーリング値(デジタル演算値)から差分変換基準値を引いた値が、差分変換後のスケーリング値(デジタル演算値)として格納されます。

L60AD4の場合

差分変換後のスケーリング値(デジタル演算値)= スケーリング値(デジタル演算値)− 差分変換基準値

用途に合わせて検出方式を拡張

[ 入力信号異常検出拡張機能 ]
設定範囲を超えたアナログ入力値を検出する「入力信号異常検出機能」の検出方式を拡張できます。入力信号異常を下限検出のみ、または上限検出のみ検出したい場合、断線検出を行いたい場合に使用します。

[ 入力レンジ拡張機能 ]
入力レンジの範囲を拡張できます。入力信号異常検出機能と組み合わせることで簡易的な断線検出ができます。

アラームで接続機器の状態を監視

[ 警報出力機能 ]
■ プロセスアラーム
デジタル演算値があらかじめ設定された範囲に入った場合に警報を出力します。

■ レートアラーム
デジタル出力値の変化率がレートアラーム上限値以上に大きな変化率を示した場合、またはレートアラーム下限値以下の小さな変化率を示した場合に警報を出力します。

安定した測定を実現

[ チャンネル間絶縁 ]
チャンネル間が絶縁されているため、各チャンネルに接続するセンサ間のノイズ回り込みを防ぎ、安定した測定ができます。

任意のタイミングでA/D変換可能

[ トリガ変換機能 ]
トリガ変換要求の入力タイミングに合わせて、A/D変換できます。使い勝手や操作性の向上、プログラミング性の向上が図れます。トリガ変換要求には「外部トリガ変換要求(外部入力端子)」、または「内部トリガ変換要求(バッファメモリ)」の2種類があります。

  • *2.CH1、CH3とCH2、CH4、の組み合わせで順番に行います。

流量を簡単に計算・記録

[ 流量積算機能 ]
流量計などからのアナログ入力値(電圧または電流)をA/D変換し、積算周期ごとにスケーリング値(デジタル演算値)を積算できます。本機能では、スケーリング値(デジタル演算値)を瞬時流量として積算処理を行います。

■ 積算処理の考え方
本機能では、以下の演算式によって積算処理を行います。

項 目 内 容
積算流量値 積算処理の演算結果
瞬時流量 流量計からアナログ出力される瞬時流量値
ΔT 積算周期(ms)
T

瞬時流量の時間単位をms単位へ換算するための換算値

流量計のレンジ 流量時間単位指定の設定値 T(ms)
/s(秒単位) 0 1000
/min(分単位) 1 60000
/h(時間単位) 2 3600000
単位倍率

積算流量値の単位倍率
瞬時流量× ΔT/T の値が、小数点以下の値になる場合などに使用します。

単位倍率指定の設定値 単位倍率
0 1
1 10
2 100
3 1000
4 10000
前回値 積算処理前の積算流量値の格納値

高速で滑らかな連続アナログ出力を実現

[ 波形出力機能 ]
業界初*3波形出力機能を搭載しました。(特許出願中)
あらかじめ用意した波形データをアナログ出力ユニットに取り込み、設定した変換周期でアナログ出力できる機能です。
シーケンススキャンタイムに依存しない、高速で滑らかなアナログ出力を実現します。

  • *3.2012年4月当社調べ

シーケンスプログラムにより、アナログ出力する場合

スキャンタイムごとに、アナログ値が出力されます。

出力させたい波形と実際の波形との間にズレがある…

波形出力機能により、アナログ出力する場合

一定間隔ごとに、アナログ値が出力されます。

出力させたい波形により近い出力が可能

出力させたい波形と実際の波形との間にズレがある…

出力させたい波形により近い出力が可能

① GX Works2でアナログ出力させたい波形出力データを作成

波形パターンを(複数個)登録しておけば、ツール上で自由に組み合わせることが可能

② 波形出力データをCPUユニットのファイルレジスタ(またはSDメモリカード)に保存

③ ファンクションブロック(FB)*4を実行し、アナログ出力ユニットに登録

  • *4.三菱電機FAサイトのMELSOFT Libraryより無料でダウンロードできます。

高度な演算、自由な変換特性の実現<sup>L60AD2DA2</sup>

[ 自由演算機能 ]
アナログ入出力ユニット内部にて多項式演算ができます。ラダープログラムで演算が不要となり、シーケンススキャンタイムに依存しない高度な演算が可能となります。

[ 自由変換特性機能 ]
アナログ入出力ユニットのアナログ入力/アナログ出力/アナログ入出力の変換特性を自由に設定できます。設定した変換特性にしたがって変換を行うため、ラダープログラムで演算が不要となりプログラミング工数が削減できます。

項 目 内 容
アナログ入力 A/D変換チャンネル(CH1、CH2)の変換特性を自由に設定できます。
アナログ出力 D/A変換チャンネル(CH3、CH4)の変換特性を自由に設定できます。
アナログ入出力 アナログ入力に対応したアナログ出力の変換特性を自由に設定できます。
従来ラダープログラムが必要であったアナログ入力/出力の折り返しがラダーレスでできます。

従来の制御

(例)アナログ出力ユニットの場合

自由変換特性機能による制御

(例)アナログ入出力の場合

[ 自由変換特性機能+自由演算機能 ]
自由な変換特性にしたがって変換したデジタル値に対して、さらに任意の多項演算式で演算することができます。設定した変換特性データを演算にかけることにより、アナログ出力させる際に出力値を補正することができるため、変換特性データを修正することなく、アナログ出力値の調整が可能です。

(例)自由変換特性機能(アナログ入出力)使用時に意図通りのアナログ出力になっていなかった場合

1ユニットで「電圧」・「電流」・「微小電圧」・「熱電対」・「測温抵抗体」に対応<sup>L60MD4-G</sup>

チャンネルごとに「電圧」・「電流」・「微小電圧」・「熱電対」・「測温抵抗体」から選択可能なため、従来、センサの種類ごとに用意していた専用ユニットを1ユニットに集約できます。

導入例アナログ入力と温度入力の使用チャンネル数が合わせて4チャンネル以下の場合

また旧JIS規格対応のセンサ(Pt50、JPt100)にも対応しているため、既存のセンサはそのままで設備の更新ができます。

熱電対 K、J、T、E、N、R、S、B、U、L、PL Ⅱ、W5Re/W26Re
測温抵抗体 Pt1000、Pt100、JPt100、Pt50

多彩な入力レンジ、8チャンネル入力への対応<sup>L60RD8</sup>

1ユニットで8チャンネルの温度測定が行えます。従来品(L60MD4-G)の4チャンネルに比べ2倍のチャンネル数となったことにより、システムの省スペース化、およびコストダウンが可能となります。また、入力レンジも新旧JIS規格のPt100、JPt100、Pt50に加えて、DIN規格、GOST規格、Pt1000レンジに対応しているため、幅広いシステムに適応可能です。

測温抵抗体 Pt1000、Pt100、JPt100、Pt50、Ni(DIN規格)、Cu(GOST規格)

ネジ締め作業の工数削減<sup>L60RD8</sup>

スプリングクランプ端子台により、ネジ締め作業の手間と工数を削減することができます。プッシュインタイプのため、工具なしで配線が可能です。また、ネジの締め直しなどの定期メンテナンスは不要になります。

測定値の補正が可能<sup>L60RD8</sup>

測定した温度測定値と実温度の差異を、センサ補正機能(シフト機能、センサ2点補正機能)により、ご使用の環境に合わせて簡単に補正できます。

温度測定値が10.8~50.7(℃)のとき、デジタル演算値が10.5~50.0(℃)になるよう補正され、測温抵抗体に入力している実温度に近い温度測定値が得られます