無停電電源装置(5kVA以下)常時インバータ給電方式 FW-Sシリーズ 耐環境仕様
耐環境性UPSとは
製造現場で求められる“汚損度3”環境に対応した耐環境UPSです
製造業のスマートファクトリー化進展に伴う予防保全・データ分析ニーズが高まる中、製造現場で求められる環境に対応した、常時インバータ給電方式の「耐環境仕様」UPSをラインアップしました。
IEC/JIS規格に記載の「汚損度3」に対応
バッテリ寿命診断機能を搭載
増設・バッテリ接続によるバックアップ時間拡大
オプションボード対応
--- 「汚損度3」とは ---
環境例 | 定義 | |
---|---|---|
汚損度1 | クリーンルーム | どのような汚染も発生しないかまたは乾燥状態で非導電性の汚染だけを発生する。 この汚染はどのような影響も及ぼさない。 |
汚損度2 | 家庭・オフィス | 非導電性の汚染は発生するが、時には結露によって一時的に導電性が引き起こされることが予想される。 |
汚損度3 | 工場 | 導電性の汚染が発生する、または乾燥した非導電性の汚染だが予想される結露のために一時的に導電性となる汚染が発生する。 |
汚損度4 | 屋外 | 導電性のほこり、または雨もしくはその他の湿潤状態によって連続的な導電性を発生させる。 |
“汚損度3”の環境に対応
製造現場などでの利用において、従来品と比較し環境性能を向上しました! ※1
製品吸気部に防塵フィルタを搭載しています。
機器設置環境でのUPS内部への汚損物(埃など)の侵入を抑制します。
製品内部の基板にコーティングを施し、IEC/JIS規格に記載の「汚損度3」に準拠した設計を実現しました。
1:腐食性成分を含む塵埃や、導電性異物が浮遊する環境下では、本UPSをご使用いただけない場合があります。また、汚損度3の環境下でのご使用でも、劣悪な環境や連続した使用により湿潤した塵埃等が多量に侵入した場合などは、UPSの故障を完全に防ぐことは困難です。このような環境下での使用を想定される場合は、設置環境の改善や防塵BOXの設置など、対策の検討をお願いいたします。
2:塵埃の多い環境では、防塵フィルタが目詰まりすることで冷却効果が低下し、UPSの保護機能が動作することがあります。防塵フィルタの定期的な清掃や交換をお願いいたします。
3:IEC60950-1/JIS C6950-1の規格に記載の「汚損度3」に対応しています。
GOTとの連携機能
FW-Sシリーズと表示器GOT2000シリーズをRS-232Cケーブルで接続することで、GOTの画面上でUPSの監視制御を行えます。盤内など、目の届きにくい場所に設置されたUPSのリアルタイムでの状態把握や過去の異常発生履歴、UPSの設定が可能となり、お客様でのメンテナンス性・利便性を向上させます。耐環境仕様のUPSでは、バッテリ寿命診断機能を追加しましたので、GOTの画面でバッテリの使用可能残日数が確認でき、タイムリーなメンテナンスを支援します。
GOT2000用UPSサンプル画面データは、三菱電機FAサイトより無償ダウンロードできます。
UPS状態表示
UPSの出力(運転)状態やバッテリ電圧(残量)、警報有無を確認できます。また、バイパス運転への切替やセルフテスト実行用のスイッチも用意しています。
バッテリ寿命診断機能
(耐環境仕様のみ)
GOT画面でバッテリの使用残日数が確認できます。タイムリーなメンテナンスを支援します。
残日数は周囲温度25℃で継続使用した場合の推定値です。
トレンドグラフ
入力電圧、出力電圧のトレンドグラフを表示します。
稼動履歴
下記履歴を表示します。
・UPS稼動時間及び日数
・過負荷回数
・電源異常回数
イベント履歴
下記履歴を表示します。
・各種異常や過負荷
・バッテリ劣化
・瞬低発生(PLC経由での接続に限る)
UPS設定
下記履歴を表示します。
・復電時起動設定
・UPSセルフテスト間隔
・出力電圧設定
・バッテリ交換日
高品質な電源供給
無瞬断でのバックアップ切替
停電や瞬低の発生時に無瞬断でバックアップ運転に移行します。シーケンサ、パソコン、制御機器での電源障害対策や、マグネットスイッチ、ミニチュアリレーの電源保護に最適です。
AC85~144Vの幅広い入力電圧に対応
電圧変動等によるバックアップ動作への切替回数を削減します。不要なバッテリ電力の消費を抑制し、バッテリ残量不足を防ぎます。
クリーンな出力電圧
UPSのアクティブフィルタ機能が、無効電力、高調波電流を抑制し力率を改善します。また、入力電源からの高調波、サージ・ノイズ等を含む歪電圧波形をクリーンな正弦波にします。
バックアップ時間の拡大
1.5kVA以上の容量帯では、増設バッテリを接続することで長時間バックアップに対応します。
増設バッテリユニット形名 | ①FW-SEB-A1 ②FW-SEB-A2 |
③FW-SEB-B | ④FW-SEB-D | ||||||||
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増設バッテリユニット接続数 | ①1台 | ②1台 | ①1台 ②1台 |
②2台 | ③1台 | ③2台 | ④1台 | ④2台 | |||
本体 形式 |
タワー型 | 1.5kVA/1.0kW | FW-S10T-1.5K | 10分 | 20分 | 30分 | 40分 | - | - | - | - |
3.0kVA/2.1kW | FW-S10T-3.0K | - | - | - | - | 20分 | 40分 | - | - | ||
5.0kVA/3.5kW | FW-S10T-5.0K | - | - | - | - | - | - | 30分 | 60分 |
オプションボード用スロットによる拡張性の向上
オプションボードをUPSに挿入することで、ネットワーク接続(Ethernet)や、シリアル通信ポートの拡張によりUPSの監視・制御ができます。
商用・バッテリ起動双方に対応
商用給電がある場合、バッテリが寿命・劣化状態でもUPSは起動可能です。また、商用電源がない場合でもバッテリから給電し、接続機器への給電が可能です。2種類の起動方法により、安定的な電源供給を実現します。
特長 | 注意点 | |
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商用起動 (ホットスタート) |
バッテリが寿命・劣化状態でも商用給電がある場合、UPSの起動が可能です。 | 商用電源がない場合はUPS起動不可となります。 (非常電源としてはお使いいただけません。) |
バッテリ劣化状態でUPS運転が可能の為、定期的なセルフテスト、UPS警報の信号出力をお勧めします。 | ||
バッテリ起動 (コールドスタート) |
商用電源が無い場合でもバッテリから給電しUPSが起動、接続機器への給電が可能です。 【用途】 ①電源工事施工前の現場での負荷機器の立ち上げ ②停電時の非常電源 |
バッテリ容量低下・劣化の場合は起動不可となります。 |