特長 | iQ Monozukuri 工作機械工具摩耗診断 | FA-IT統合ソリューション e-F@ctory | 三菱電機 FA
Factory Automation

FAアプリケーションパッケージ 工作機械工具摩耗診断

確かな工具診断を実現する、データを駆使した多彩な分析技術。

診断特徴量の算出

収集データから診断対象加工区間を自動抽出

加工中に高速でアナログデータを収集し、切削加工負荷に関わるデータのみを自動で抽出。さらに抽出したデータから特徴量を算出します。
なお、自動で区間抽出する条件は、アドバンストデータサイエンスツールにて、波形形状を確認しながら設定可能です。

工作機械の連続収集データ

各データ間の違いが比較できれば、加工異常を即発見!

アドバンストデータサイエンスツール

アドバンストデータサイエンスツール

切削トルク波形変化点より診断対象区間を切出する抽出条件を算出、診断システムにて診断特徴量を算出します。

診断目的に応じて相関の強い特徴量を選択

工具摩耗診断や加工異常診断の目的に応じて、適切な特徴量(平均値、積分値、最大値、最小値、範囲値、中央値、区間長、閾値通過回数、閾値超過回数、閾値超過時間/平均値/積分)が選択可能。
切削加工条件により負荷が微小の場合は、収集データに含まれるノイズ成分が診断精度に大きく影響する場合があります。そのため、移動平均などの一次処理により、診断対象データのS/N比(Signal/Noise 比) を改善し、特徴量の算出制度を向上できます。

平均値

範囲値

閾値超過積分値

工具交換運用

工具交換時期の最適化

加工プログラム番号と工具番号の組み合わせを「モデル」とすることで、モデルに含まれる被削材条件やワーク形状、主軸回転数や切込み量・送り量など様々な加工条件下での工具寿命診断を可能とします。

そのため、1 種類の工具で様々な加工条件で生産する場合も、モデル別に工具寿命を定め、工具摩耗進行に合わせて劣化予測することで、変種変量生産でも工具診断を可能とします。

工具の摩耗が遅い

工具ごとに摩耗が異なる

工具の摩耗が早い

さまざまな工具摩耗に合わせて、最適な工具寿命診断を実施!

工具寿命が使用回数でわかる

工具交換後、工具の切れ味の違いや変種変量生産の状況から、工具寿命まであと何回加工できるかの使用可能回数を予測残回数として表示します。予測残回数の残り数から、ユーザが運用しやすいように、注意・警告の2段階で出力をするよう設定できます。

異常発生時は、外部にも出力が可能で、工作機械等に異常表示することもできます。*1

*1: 工作機械に外部異常入力端子が用意されている場合

AI活用

曲面加工等の複雑加工に対応した診断

流体部品やデザイン性を重視した機械加工では、曲面の精密仕上げなどの複数軸同時制御による加工も多く、主軸だけでなく様々な送り軸にトルクをかけて切削します。
このような切削では、単独軸のトレンドから摩耗診断を行うことができません。
そこで、総合的に各軸の特徴量トレンドと測定値(出来栄え)トレンドとの関係性を機械学習させ、測定値予測モデルを作成します。
加工直後に傾向管理することで曲面加工等複雑な加工での摩耗診断が可能となります。

簡単にAI(機械学習)を活用する環境を提供!

機械学習上の注意点として、一般的には過学習や多重共線性問題などデータサイエンスの基礎知識が必要となります。しかし本パッケージはこれら問題を発生させないよう、学習目的となるデータ項目(出来栄え: 測定値、検査値)が決定した時点で学習対象として推奨する特徴量を表示します。また、学習対象データを複数ブロックに分割し、どのブロックで学習した予測モデルの精度が良いかを自動検証可能です。

交差検証を用いた学習データのグルーピングイメージ

精度が悪い予測モデルの例

精度が良い予測モデルの例(精度5)

実測値 予測値 残差(予測値と実測値の差)