中華風麹篇

味噌や日本酒など身近な発酵食品に含まれ、美容や健康をサポートしてくれる食品として、近年あらためて注目を集めている“麹”。
麹の力をかりると料理の風味が向上して簡単に味がきまるので、実は時短料理にもつながります。
そこで、いつもの料理に使いやすい基本の塩麹のほか、多彩な麹調味料を使用したレシピをご紹介。時短でおいしいカラダいたわる料理をぜひお試しください。

今月は香味野菜が入った中華風麹を自家製でつくり、
その麹をつかって
カラダいたわる時短ごはん6品
ご紹介します。

今回の麹でつくる調味料中華風麹

自家製中華風麹のできあがり

中華料理でよく使われる香味野菜がすべて入った中華風麹です。麹に含まれている酵素が食材のうま味を引き出し、肉や魚を柔らかくする効果があります。香味野菜をみじん切りやすりおろしにする手間がなく、手軽に中華風の味を楽しむことができるので、お料理を中華風にアレンジしたいときやそのまま薬味としても使える万能調味料です。

【保存の目安:冷蔵で約3ヶ月】

材料

作りやすい分量/できあがり塩分濃度 約12%

  • 米麹(乾燥)100g
  • 長ネギ1・1/2本(正味 約150g)
  • ショウガ45g
  • ニンニク2~3片(正味 約15g)
  • 110g
  • 55g

作り方

  1. 1下ごしらえをする

    米麹が板状に固まっている場合は、袋の上から手で揉みほぐしてバラバラにする。
    長ネギは根元を切り落とし、白い部分と青い部分に切り分ける。白い部分は1~2cm長さに切り、青い部分は葉の間の土や汚れを洗い流し、乾燥している部分があればとり除いて1~2cm長さに切る。
    ショウガはよく洗い、汚れている部分の皮はスプーンでこそげとり、薄切りにする。
    ニンニクは潰して芯をとり除く。

  2. 2撹拌する

    ミキサーに長ネギ、ショウガ、ニンニクを入れて水を注ぎ入れる。なめらかなピューレ状になるまで撹拌する。(※香味野菜ピューレ 約310g)

  3. 3混ぜる

    清潔な容器に香味野菜ピューレ、米麹、塩を入れ、よく混ぜ合わせたら蓋を軽く閉める。

  4. 4発酵

    直射日光と湿気の多い場所を避け、常温に置く。1日に1回、清潔なスプーンなどでよくかき混ぜる。
    麹の固い粒が潰れるくらい柔らかくなったら完成。
    (目安:夏は5~10日間ほど、冬は10日~2週間ほど)

  5. 5保存

    蓋をしっかり閉め、冷蔵庫で保存する。

ポイント

冷蔵庫で保存し、約3ヶ月を目安にお召し上がりください。低温でも少しずつ熟成が進み、保存中に味がまろやかに変化していくので、長く楽しめます。

常温発酵では塩分濃度12~13%が腐敗防止に効果的です。

発酵が進むにつれ、色がくすんで変化しますが問題ありません。

中華料理でよく使われる長ネギ、ショウガ、ニンニクの香味野菜がすべて入った麹調味料です。中華風麹を使えば、香味野菜のみじん切りなどのひと手間が省け、手軽にその風味を料理に活かせます。

中華風麹は和食にも合います。てり焼きソースの風味付けに、冷や奴や湯豆腐、お鍋の薬味として、和食のアクセントにもぜひ活用してみてください。

長ネギは時期や個体差によって1本の太さ(重さ)が違います。正味重量に合わせて作ってみてください。

長ネギの白い部分はビタミンCが豊富。青い部分はβカロテンやカリウムが豊富で、香りや辛みが強いのが特徴。どちらか一方でも作れますが、両方合わせて作るのがおすすめです。

余った乾燥麹は、冷凍保存がおすすめです。冷凍用のジッパー付き保存袋に入れ、空気をしっかり抜いてから袋の口を閉じます。冷凍後は1ヶ月をめどに使ってください。

発酵過程で炭酸ガスが発生することがあるため、蓋は完全に閉めずに軽くゆるめておきます。また、容器は材料をすべて入れても少し余裕があるサイズを選ぶと、発酵中の炭酸ガスの逃げ場ができて安心です。

ジッパー付きの保存袋でも作れます。その場合も袋の口を完全に閉めず、ジッパーに短く切ったストローを挟んで閉じるなどして空気が通るようにすると、発酵がうまく進みます。また、材料を入れる前に袋の口元を2回折り返すと、ジップ部分が汚れにくくなり袋が清潔に保たれて、発酵中に2週間前後常温で置いても衛生的に管理できます。

中華風麹を使ったカラダいたわる時短レシピ

青菜と青ジソの餃子主菜

中華風麹で味付けされた肉餃子は、青ジソの風味と小松菜がたっぷり入って美味しいです。麹の効果でうま味が増しているので、しょうゆなどをつけなくても食べられます。

【保存の目安:冷凍で約3週間】

鶏ムネ肉のから揚げ
香味甘酢ダレ
主菜

鶏ムネ肉は繊維を断つように切り、中華風麹に漬けると柔らかくジューシーなから揚げになります。卵入りの衣にすると冷めても美味しいのでお弁当にもぴったりです。

【保存の目安:から揚げは冷蔵で約3日間、冷凍で約2週間、香味甘酢ダレは冷蔵で約3週間】

ブロッコリーの中華風白和え副菜

中華風の白和えは、練りゴマのコクとよく合います。白和えは野菜がたっぷり食べられ、おかずとしてもサラダ感覚でも食べられるカラダいたわる時短料理です。

【保存の目安:冷蔵で約3日間】

ラーパーツァイ副菜

白菜のシーズンにおすすめの中華風甘酢漬けです。熱したゴマ油、ホワジャオの風味、赤唐辛子のピリ辛がアクセントのおかずとしても、前菜としてお酒と一緒にいただいても良いです。

【保存の目安:冷蔵で約1週間】

高野豆腐の麻婆ナス副菜

まるでお肉のような高野豆腐の麻婆ソースは、ニンニクの芽とナスと相性が良いです。脂もないので冷めても美味しく、しっかり味を含んだソースはお弁当にもぴったりです。

【保存の目安:高野豆腐の麻婆ナスは冷蔵で約3日間、麻婆ソースは冷蔵で約4日間、冷凍で約2週間】

大根とタケノコの五香粉煮副菜

五香粉の香りは食欲をそそり、中華風麹とも相性が良いです。味がしっかり入った煮物なので、おかずはもちろん、お酒とあわせても美味しくいただけます。

【保存の目安:冷蔵で約4日間】

レシピを作ってくれたのは小西君枝さん

小西 君枝(こにしきみえ)
料理家 / フードコンサルタント

女子栄養大学卒業。
企業での商品企画開発を経て料理家として独立。フードアドバイザー、企業や飲食店などの商品開発、イベント調理、料理教室なども行う。素材を生かし、シンプルな調味料とハーブやスパイス、素材の組合せでワクワクするような料理を得意とする。

2025.02.03